【インタビュー】10/8ミニ講座講師 パーソナルトレーナー・臨床分子栄養医学カウンセラー 佐久間翔太さん「イケメンが栄養を語る」の巻

「栄養」と言えば女性、どちらかと言えばおばちゃんからお説教されるようなイメージってどこかにありませんか?(おばちゃんって、私のことか…)

今回はパーソナルトレーナーでありながら栄養、脳や心の働きについてもセミナー活動をされている佐久間翔太さんにお話を伺いました。


Q佐久間さんは現在パーソナルトレーナーとしても活躍されアクティブな印象がありますが、今からは想像できないような少年時代を送ったようですが、どんな感じのお子さんだったのですか?

:トレーナーだからスポーティなイメージがありますよね。

記憶の限りだと、表面上ではふざけたがりで、楽しいことが好き。でも、実は内気なところもあって、今でもこれはあまり変わらないけど、人見知りで人と関わるのが苦手でした。

そのきっかけとなったのが、小学校低学年ぐらいの頃にすれ違いざまに同じ歳くらいの子供に「豚みたい」って言われたのです。鼻がちょっと上を向いていたんですね。それ以来自分に自信が持てなかったという記憶が強くあります。

特にスポーツに関しては、いつもチームの一番上手い人に合わせながらビクビクしながらプレーしていました。これは大人になってカナダにいた時でも正直変わらなかったかな。

小学校でも常に自信がなかったし、中学時代が最も体調が悪い時期で遅刻常習犯でした。

栄養療法を勉強してからは、あれは栄養不足の影響もあったなと思います。

朝は白米と海苔だけ、しらすご飯だけだったり…。夜もカップラーメンだけとか、ファーストフードのハンバーガーだったり。

親が小学校4年生の時に離婚して母親に育てられたのですが、子供達が自分でご飯を用意していたこともあったんです。その時は気づかなかったですが、今思えば成長期にも関わらず完全に栄養足りていなかったんだなぁと思います。

Qセミプロのサッカー選手となった後は、パーソナルトレーナー、分子栄養学、脳科学、心理学、と、正に文武両道と言いますか幅の広い勉強をされていますが、どのような経緯でこれらを勉強するに至ったのですか?

:セミプロになるためにカナダで練習していた時に膝を怪我してしまって、その時は治療費が高いので自分で色々調べて安静にしたりリハビリしたりで、なんとかセミプロになれました。

「TORJA」というトロントのフリーペーパーでインタビューされた時の記事。

その後、日本に帰ってきてから、膝の調子が悪くどんどん気になってきて、どうせならこの膝をちゃんと治そうと思ってトレーニングが無料でできるジムのバイトを始めたのです。そのうちにたまたまトレーナーの資格制度が会社でできたのでトレーナーになりました。

勉強を進めていくうちに、栄養がものすごく大事だと気づいてそれが分子栄養学を学び始めたきっかけになりました。その上、栄養が脳や心にも大きく影響していることを知って、連鎖的に脳科学や心理学も学ぶようになりました。

心理学は小学生の頃から興味ありましたね。さきほども言いましたが、自己肯定感が低かったので人の顔色をうかがったり人のこと信用してなかったり、そういうところから「心って何だろう」とずっと思っていましたから。

Qちなみに人の顔色をうかがうのはやめられましたか?

:はい、高校の時に「イケメン」と言われ始めて(照れ笑い)、顔のコンプレックスが解消されたり、サッカーでレギュラーになったりしたことで少しずつ周りを気にしなくなりました。

今は全く気にならないという訳ではありませんが、やはり自分に自信をつけることが大事ですね。

Q:その学びの中で、「ストレスが元凶だ」とお気づきになったそうですね。
どういうことなのか教えてください。

:ストレスと繋がりが強いのは自律神経の働きです。

自律神経は血圧や心拍、呼吸など、命に繋がる部分を無意識にコントロールしています。

自律神経には二種類あって交感神経と副交感神経が常にバランスを取っています。

ストレスを感じると交感神経優位になって、呼吸が浅くなる、筋緊張が強くなる、消化不良を起こすなどなど、体に良くないことが起きます。

本能的に生き延びるための反応ですが、慢性的に続くと体の不調を引き起こします。

現代人は天敵がほとんどいないのに、仕事でストレスを感じすぎです。

ストレスで腸内環境が乱れることもわかっています。便秘や下痢、肩こりや頭痛、重症になると副腎疲労症候群を発症して精神疾患のような症状で苦しむ人も多いです。

Qストレスとうまく付き合う方法はそれこそ世の中に山ほどあるでしょうが、佐久間さんのオススメの対処法があったら教えてください。

:究極的な方法は、ストレスの根源をなくすことですよね。

仕事がストレスなら辞める、家族関係なら離れて暮らすなど実行する。

とはいえ、それは勇気がいることだしリスクを伴いますよね。

思い切った決断ができない状況なら、ストレスと感じないような思考や考え方を身につけたり、ストレスを軽減するための方法を色々持っておいたりすることが大切です。

最近、瞑想が流行っていますが、交感神経優位だと周りに敏感になるので、瞑想によって、「今、ここ、自分に焦点を当てる」というのは然るべき方法の一つです。

私がオススメするのは、自分のストレスが何であるか突き詰めるために、夜寝る前に1日を振り返る日記をつけることです。

どんなストレスがあったのか具体的に何が嫌だったのか、どれくらい強いストレスだったのかポイントをつける。

それができたら、個々にどう対処できるのか対応策を考えるのです。

自分の中で事前に選択肢を持つことで、ストレスを寄せ付けない、ストレスを感じなくなる鈍感力が身につけられるわけです。

また、好きなことを追求する時間を持つことも大事ですよね。

Q今の子供たちが抱える最大の課題といったらなんだと思いますか?
それに対して保護者は何ができると思いますか?

:私は栄養を生業としているので、やはりもっと栄養に興味を持って欲しいです。

発達障害や自閉症の子たちは結局、腸内環境が悪かったり食事で添加物を取り過ぎてしまっていたりということが関係しているという研究結果がたくさん出てきています。

食事を変えることで改善できるということを知ってもらいたいです。

ー 困った人が調べてまくってようやく分子栄養学にたどり着くのが現実に起きていることですよね。もっと気軽にこういった情報に触れられたらと思います。そういう意味で我々カウンセラー(星谷も栄養療法アドバイザー)が病態と栄養を含めた生活習慣との関係をもっと広く知ってもらう活動に力を入れるべきだと改めて思っています。

昔は同居世帯も多く、おばあちゃんの知恵が引き継がれていて、健康を保つことがそれほど難しくなかったのではないでしょうか。

そういった知恵も我々は分断され、同時に便利な世の中になりましたが、便利さゆえに健康が損なわれるものが含まれていることに気づいて欲しい。

情報が簡単に入って来て鵜呑みにしている人が多いですが、「本当にそうなのか」という疑問を保護者が持つべきだと思います。

Q最後にミニ講座で特にお伝えしたいことや参加者へのメッセージがあればお願いします。

:繰り返すようですが、体に良いと宣伝されているものが、実は体に良くないということがあります。ダイエットには糖質制限と信じられていますが、それで体を壊してトレーナーに相談して来る人がいます。

自分の生活を振り返ってみて、それが自分にあっているのか考えて欲しい

自分で考えることをしない人が多いように思います。

栄養は必須科目ではないし、家庭科でもちょっとしか時間を割かれない。食事や栄養に関しては自分から興味がわかないと勉強しないというのが現状ですよね。

便利さを求めて簡単に食事ができるようになったのと引き換えに、食べるものを間違えれば健康を損なうという、実は大変な時代になっています。

何を食べて何を食べないか、食事の選択が健康、人生に非常に重要な時代だということを具体的な症状を交えてお伝えしたいと思っています。


インタビューを終えて

佐久間さんも私も分子栄養学つながりということもあり、「そうそう!」とインタビューということを時に忘れたように盛り上がってしまいました。

日記は誰でもつけたことがあると思うので、手軽に始められそうですね。

私ごとで恐縮ですが、子供の頃、「好きなことを大切にしなさい」といった教育は受けて来なかった。だから自分のこともよくわからない人が多かったように気がします。そういう時代だったのですよね。

そして大人になってから自分探しを初めて開始すると、なかなか見つからなかったり、見つかったとしてもかなり遠回りしてからだったり。

そういう意味で子供のうちに自分をしっかり見つめる時間を持って欲しいと思っています。

社会に出てもブレずに力いっぱい走れるような力強さを持って欲しい。

それを支援するのが保護者の務めであり、その基本に立ち返って欲しいというのがこのファミリードの活動の源流なのです。思いが重なったようで嬉しくなりました!

オンラインミニ講座が楽しみです!

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インタビュアー: 星谷みよ子

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