公立学校の保護者向け講座をオンラインで実施!意外と高かった3つのハードル

1月、2月とzoom接続によるオンライン講座が都内の公立小学校で開催されました。


P T A保護者向け講座といえば、これまで100%校内で対面形式で行われてきかと思いますが、コロナ禍、それも都内では緊急事態宣言の再発令の中での実施であったため、保護者も講師も自宅からの参加という形での実施となりました。

ファミリードでは「オンラインでもできる!特に地方の学校は講師の交通費を節約できるから今後も定着してほしい」という願いから昨年10月に開催したオンラインミニ講座でリモートキャンペーンと称して無償で開講する学校を募っていました。

それも含め今年に入って都内の2つの小学校で実施をサポートしましたので、思いの外感じたハードルに関してお話しします。

1月に都内の某小学校で行われた講座は薬剤師の橋本伊有子先生による「本当のセルフメディケーション」というタイトルの講座でした。元々は、膨らむ一方の保険医療費を抑制するために提唱された概念ですが、そもそも症状や病気に苦しむ前に予防できることが理想だとして、昨今の子どもたちの健康上の課題、薬とのつきあい方、本当の健康を維持するために大切なことなど、一生使える知恵をわかりやすく解説していただきました。

2月の「強みを伸ばし、弱みは克服しない!子どもの才能・特性・強みを見つけるセミナー」は青梅市立今井小学校で行われました。オンラインミニ講座のリモートキャンペーンにお申し込みいただき、ファミリードはzoomでのホストや講師の手配など無償で支援させていただきました。

人材コンサルタントとして25年のキャリアを持ち、数万人という会社員の方々の相談に乗ってきた渡辺千春先生がその現場で見えてきたことは、企業が求める人材と学生側との大きなギャップでした。どのようなギャップなのか、そしてそれはどのように埋められるのか、子育て中の保護者にできることは何かお話いただきました。

いずれの講座も完全無記名にもかかわらず、受講後アンケートの評価は高く「大変満足」と「おおむね満足」を合わせると満足度100%!
オンラインで自宅から気兼ねなく参加できることに歓迎の声も多く見られました。

特に1月の方は、後日視聴も可能としたため、平日は仕事で忙しいという保護者も数多く申し込みされ、「この9年間で初めて保護者向け講座に参加できた」というコメントが印象的でした。

両方とも異なる関わり方ではありましたが、「公立学校の保護者向け講座をオンラインで実施する」というハードルは思いの外高かったことを実感しました。

以下にポイントを3つに分けてそのハードルを説明します。

まずは言わずもがな、「技術的」なハードル

Zoom接続を経験したことはあっても主催者としてホストを経験した人は圧倒的に少ないでしょう。慣れないアプリケーションの操作、そもそもI T環境のセキュリティが高く自由度が低い公立学校からの接続はレンタルのポケットWifiを使用せざるを得なかったり、パソコンの仕様に依存するところがあったりとある程度のI Tスキルが必要となります

これまで紙で行っていた申し込みやアンケートも電子化する必要があります
録画して後日視聴も可能としようとすると、動画編集やネット上での公開、さらにアクセスしやすくするにはQ Rコードを案内状に載せる必要も出てきます。

もちろんI Tに強い人はどの学校にもいるでしょうが、たまたまくじ引きで決めるような習慣のあるP T A組織では、「できない!無理!!」と叫ぶ保護者の姿がたやすくイメージできてしまいます。

ちなみに代表の星谷は長年会社員でI T部門に籍を置いてきましたが、zoomでのホストや動画編集は今回のために学習しました。今後必要になるだろうということで必死でしたが、委員として1回きりのことであればここまで本腰を入れることもなかったでしょう。
半世紀生きてきた脳みそにはなかなかの刺激物でした。

二番目に挙げられるのはオンラインであるが故の工夫です

対面の講義であれば、90〜120分は当たり前ですが、オンラインだと慣れていない、コニュニケーションが一方的になりがちだということで時間を短めに設定せざるを得ません。

伝わりづらいのに、時間を短くする。
慣れないツールなのに飽きないようにチャットやリアクションを使う。
それゆえ質問が出にくく、さらに一方通行感が高まる。

振り返ってみると、閉会してからも質問できるようにしておけば良かったと思いました。

対面での良さは講師へのアクセスのしやすさ。
質問したい人けど皆の前では恥ずかしい方、講師とちょっとお話ししてみたい方は終了後も会場に残っています。 それならオンラインでもちょっとした工夫で再現できますね。

そして、最後にあげるのが「人の意識」

I T苦手というのも技術より人の意識の問題の方が根深くそもそも近づいてこないかもしれません。「何がなんでもやろう!」という強い意志がなければ、このコロナ禍、いくらでも中止の理由は見つけられました。

今回はその度に「それでもやりましょう!」というキーとなる人がいました。その人がいなければ実現できなかったでしょう。

このような訳で、ファミリードはそのキーとなる人や実際に開催する人が少しでも楽に安心して開催できるようにサポートできたら嬉しいと考えるようになりました。

新年度に向けた新たなキャンペーンを検討しています。
5月13日(木)に第二回目のオンライン講座を開催する予定ですが、そこで内容に関して発表できるよう準備しております。

どんな講座が良いか、どんな講師がいるか、お伝えできるイベントでもあります。

新年度に保護者向けの講座・研修担当になった方、ぜひぜひご参加くださいね!