10月8日に開催のオンラインミニ講座で「子どもの才能・特性・強みを見つけるセミナー」~強みを伸ばし弱みは克服しない!についてお話くださる渡辺千春さんは、企業で営業や新人教育など様々な部署を経験された後、企業研修講師として25年以上人を育てるお仕事をされています。
コロナにより、3~5月にびっしり予定されていた研修は、すべてキャンセル・延期となってしまったとのことですが、6・7月から、オンラインに切り替えての研修が始まっているそうです。
Q:オンラインでの研修は、今までのリアルでの研修と比べて、多くの難しい点があると思うのですが、どのように感じていらっしゃいますか?
A:ご想像の通り、リアルとオンラインは、全然違います!
リアルでは、五感を使って人と接することができますが、オンラインでは、視覚と聴覚の二つの感覚しか使用できません。視覚に関しては、さらに、立体ではなく、二次元という狭い範囲に限られます。
オンラインで研修をしていて痛感することは、人に伝わる要素の中で、言語の割合が多くなるということです。
つまり、例えば空気感、雰囲気、ちょっとした目配せなど‘体感’で伝えることができたものは一切通用せず、「言語力」がものを言うということです。自分の言葉で適切に具体的に表現できること、これが今後ますます求められると強く感じています。
若い年代の方たちから’自分らしさ‘という言葉をよく耳にしますが、すべての人にとって、自分が基準となる生き方がスタンダードになる時代が来たと感じています。これからは、働くということに関してだけでも、企業に入るのか、それとも自分で起業するのか、などたくさんの選択肢がある中で、自分がやりたいこと、自分がいいと信じる道を選んで進んでいく時代です。自分のことをよく分かっていることが前提の世の中になり、自分のことをよく分かっていなければ、生きにくいと感じることになると思います。
自分の意見をきちんと受け入れてもらっている、言い換えれば、自分のことをきちんと認めてもらっていると感じられるような環境で過ごしていれば、自然に自分を軸として考え、自分で選ぶことができるようになると思います。
Q:講座タイトルにある、「強みを伸ばし弱みは克服しない!」この表現はとても興味深いですね。 うちの子は今塾で、得意な国語ではなく、苦手な算数を克服するために、算数に多くの時間を割いて勉強しています。この状況は「強みを伸ばし弱みは克服しない!」からはずれているような気がするのですが。
A:実は、「弱みは克服しない!」とは、苦手なものはやらなくていい!というのとは意味合いが違うんです!
例えば、英語を勉強するとなった時、毎日10ページずつ確実に単語を覚えるのが得意な人がいれば、一方で、まず渡米して身振り手振りで英語を体で覚えることが得意な人もいると思います。つまり強みというのは特性と言い換えることもできると思います。
自分にあった、ストレスなくあたり前に継続できることを実行すること、これが強みを活かすということの考え方で、自分に合った方法を取り入れていれば、本人は楽しく強みを伸ばすことができます!一方で仮に自分の特性にあっていないやり方で実行しようとすると、楽しめないし伸びないということになります。
人には必ず生まれ持った特性がありますが、自分のことってなかなか自分ではわかりませんよね。自分の姿を見るには鏡が必要なように、まずは客観的に自分を確認して、自分のことを知る必要があります。
人の「強み」はそれぞれで、親子だからと言って「強み」が同じとは限りません。ほとんどが違うと思います。お子さんの「強み」を認めることで、親子の関係がよくなり、保護者のみなさんの気持ちもずいぶん楽になると思います。家族それぞれの「強み」が活かされれば、家族のチーム力がぐんと上がります。ぜひ、ご自身の「強み」、お子さんの「強み」を見つけてみてくださいね!
すべての人の「強み」が認められ活かされる世界、これが本当のダイバーシティだと思います。
多くの人を育てる現場に立ち会っていらっしゃった渡辺さんから、「強み」を知り認めることの大切さを教えていただく、貴重な時間となりました。すべての人たちが認められ必要とされる世界は、まさしくあるべき姿だと思います。
研修がすべてキャンセルになってしまった時期、そのまとまった時間を利用して、今までやってきたことを形にしたいと本を執筆されたという渡辺さん。自分のことをよく分かっているからこそのプラスの行動力がさすがです。
本のタイトルは「企業研修講師25年のプロが教える 初めてリーダーになる人のための 人も育って成果も上がる指導の基本テクニック Kindle版」
渡辺さんご自身、新人を育てる担当になった際、人を育てることの大変さを感じられたそうです。こういったものがあれば心が楽になったなあと当時を思い出しながら書かれたそうです。
渡辺さん、本当にありがとうございました!
投稿 亀谷さおり